Yadorigi
この作品は自然の中で神様の存在を感じ畏怖する日本人の精神性を鑑賞者に提示する音楽的なインターフェースである。
日本文化にはアミニズム的思考が浸透しており、日本人は、神性を自然現象の中で見出してきた。この文化は人々の立ち振る舞い方にも現れる。道端にある祠の前を通る時、立ち止まったり、会釈したりする行動は日本人特有の精神性が起因する行為である。
この作品では、デジタルの要素(光、影、音)を使用して、周囲の人流によって変化する「木漏れ日」の変化を視聴覚的に表現する。周囲の行動の変容が可視化されることで、デジタル的に再現された、自然現象に対して感じている「畏怖」を表現する。
結論として、この作品は日本人のもつ自然に対する畏怖やそれらに神性を見出していった感覚を鑑賞者に提示するインターフェースである。
日本の伝統的な信仰では、「八百万の神」が存在し、これは約800万の神々が自然界に宿っていると考えられている。ヤオヨロズは、「全てのもの」という意味を持つ。これらの神々は自然物や現象を擬人化し、山、川、海、火、風などが神聖な存在として崇められている。
例えば、これは「木漏れ日」という表現としても表れている。この言葉には、森や木々の間から差し込む日光が地面に模様を描く様子を指し、その美しさに対する感受性が込められているが、この語源には自然が神聖なエネルギーを宿す瞬間であると考え、その美しさを神聖視する文化的な背景がある。
このような信仰は、日本神話や神道の根本に基づいており、自然と人々の繋がりを象徴している。最も古い神々の中には、山の神や草の神といった自然物を擬人化した存在がある。これらの神は山や川、草など特定の自然物に関連付けられ、日本の土地形成に関与したとされている。古代の日本人は、自然現象や動植物に神聖な存在を感じ、それを神道の基本的な感覚として受け継いできた。自然に感謝し、畏れ、調和を保とうとする日本人の生活様式にこの考えは影響を与えている。自然が恵みをもたらす一方で、その力に畏れ、感謝し、崇敬する姿勢が、日本の文化や習慣の背後に息づいている。万物には神が宿っているという信仰は、自然や日常生活の中に神の存在を感じる日本人独特の視点を表す。
この信仰の根底にあるのは「気配」と呼ばれるものだ。これは、物事や場所、特に自然や古社寺、神社仏閣に感じられる霊的なエネルギーや存在を指す。日本人はこの存在に敏感で、畏敬の念や感謝の念を抱くことが多い。例えば、道端の神社やお地蔵さんを拝むという行為は、その場所に宿る神の存在に感謝し、安全や幸運を願う習慣である。
日本人は日常生活の中で、様々な場所や物を神聖なものとして捉え、畏敬の念や感謝の念を表す。このような行動には、他者への敬意と環境への感謝が込められている。
Acknowledgements: Ishii-Ishibashi Fund; JST Moonshot R&D Grant Number JPMJMS2215
発表・展示歴
- 2024: NIME (New Interface for Music Expression) 2024, Utrecht, Netherland. link
- 2023: 横浜象の鼻テラス.
- Credits
- Riki Saito
Fushi Sano
Rikuto Shinmi
Minna Hosaka
Haruru Muramatsu
Kenta Tanaka
Ryoho Kobayashi
Yuta Uozumi
Shinya Fujii
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