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2023年 春学期活動報告 - Minna Hosaka

2024-01-26

2023年 春学期活動報告 - Minna Hosaka

背景

斉藤理貴の作品YGGは、自身の存在を超越し、時間と環境の影響を受けながらも「生き続ける」美を表現することに焦点を当てている。それをモチーフとして、樹の特性に焦点を当てているが、その長い時間をかけた成長や環境への対応を取り入れている。樹は根を張った場所で長期間にわたり、環境の影響と生物学的なアルゴリズムを組み合わせて成長し、樹の姿は、これまでの環境を反映したものであり、現在も遺伝的・生物学的な特性によって変化し続けている。樹の生命のアルゴリズムをプログラムによって再現し、作品が音環境や時間の変化を取り込み木がゆっくりと成長ビジュアルが大きなモニターに表示される作品である。

彼の作品に触れて、まず目に入ったのはその独自の進化と成長の様子だった。ゆっくりとしたペースで気が滞りなく成長していく様子は、まさにモニターの前で見守るような感覚を呼び起こした。その過程には、生命力の強さや不断の変化が感じられ、観る者と作品との共感が生まれたと思う。

そして異質な電子音楽が、作品が持つ生命力を一層引き立て、感動した。

今学期からは、彼の単独での制作から、グループ制作としてX-musicでプロジェクトが始動した。

先学期までは、私は「味覚と音」をテーマに研究をしていた。もともとは、私の関心が「食」にあり、具体的には、味覚を構成するプロセスへの興味が根底にある。美味しさとしての味の構成がどのような現象として表れ、それが社会に与える影響について、ということは、生命システムというテーマとして根底で共通していると思い、参加を希望した。

制作

魚住さんの助言を受け、単にプロジェクターを使用するだけでは味気ないというチームメンバーの中で想いがあった。そのため、影と光という視覚媒体を活用して表現できないかというアイデアに辿り着いた。すでに先行事例で影と光の構造関係を扱った作品があったので、それを踏まえながら我々のコンセプトに合わせてオリジナリティを生み出す方向性で制作を進めることにした。

(x-Music Lab 23秋)

特に注力したのは、「光と影と音をどのように組み合わせることで、生命感のある作品を生み出すことができるか」。つまり、視覚的な要素である光と影と、聴覚的な要素である音を組み合わせることで、生命感や存在感を感じさせる作品を創造するためにはどうすればいいか、であり、光、影、音の絶妙な組み合わせにより、生命の息吹やエッセンスを引き出し、鑑賞者に深い感動や共感をもたらす作品を創り出すことを目指した。

制作過程

制作における私の担当は、主に筐体の構築や影と光の表現だった。

まず、影の当たる物体の形や構造に関して、どのようなデザインが最も効果的か模索した。

また、光源の角度や強度によって生じる影の変化についても模索し、最後に光源と対象物の動きが、木のような自然な動きや立体的な変化を効果的に引き立てる方法についても手を動かし続けながら模索した。

試行錯誤の一環として、最初に注目したのはモールの位置関係とその重なり合いによるモアレ現象だった。これを取り入れることで、影と光の相互作用により木のような動きや独特の変化を生み出すことが可能と判断し、初期の段階でモールを活用する方針を採用した。

(x-Music Lab 23秋)

さらに、動作に関して、機械的な光と影の動きから脱却し、凪の揺らぎを通じて木漏れ日や生命のような効果を引き出す方法を模索した。

具体的な実現方法として、まず、機械的な動きを脱却するために、ゴムのような弾かれた動きを取り入れる必要があるという結論に至った。これによって、凪の揺らぎや木漏れ日のような、自然に発生した動きを生み出すことができると考えた。

(x-Music Lab 23秋)

ZOU-NO-HANA TERRACE Futurescape Project

公園空間に仮想の影絵の「⽊」を宿らせます。⼈の流れ、⼈々の会話、気温や⾵。ナイトライフの「賑わい」や環境によって会期中、形を変え、⾳と光を⽣み出します。⽊は⽣命のメタファーとしてプログラムされ、ナイトライフの環境の⼀部となります。⽊は⼈々の様⼦によって変化します。⼀⽅で⼈々も⽊に集ったりと⾏動が変化します。互いの影響の中で⽊と⼈々の関係が移ろい、⾳と光も変化していきます。

(https://fsp.zounohana.jp/2023/programs/x-music-yadorigis/)

(x-Music Lab 23秋)

課題と今後の展望

今後はNIME(New Interfaces for Musical Expression) に応募する予定である。 NIMEは、新しい音楽インターフェース、その芸術的使用、およびその構築に関わるテクノロジーに関する国際会議である。

Yadorigiは、視覚的な側面が主体でありながら、音は主に近接センサーなどの検知によって変動し、周囲の状況や人の存在に反応していた雰囲気づくりの一環として存在していた。しかし、今回のテーマ調整に伴い、作品の焦点が視覚的な表現よりも音のインターフェースとしてどういう意味づけができるかを考えなければならない。

私たちのチームが新たな意味づけを模索する中、日本語の語源と美的な概念に着目した。特に、「宿る」という言葉が持つ特定の場所への適応性や、異なる場所への変遷、「木漏れ日」という視覚的な表現への感性などが注目され、これらをコンセプトにより深め、作品に反映させることを決定した。

されらに、実装の面では、過去の試作において人流による光と音への変化が不明確であったことから、より体感的で明確な変化を実現するための方法を検討しています。具体的には、人の多さや閑散さが観察者にわかりやすく伝わるような工夫を行い、人の動きに敏感に反応する仕組みを考えている。

Author

Minna Hosaka